神奈川オルタナティブ協議会  【オルかな】公式ブログ

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6月12日開催・サードオピニオン会IN二俣川のご報告

去る6月12日(日曜)、オルタナティブ協議会神奈川支部【オルかな】主催の
サードオピニオン会IN二俣川が開催されました。
当日の会の様子をご報告します。

冒頭、MCの中川聡(全国オルタナティブ協議会代表)から中川が現在神奈川県外で支援に関わっている数名の当事者の近況について報告。
それに対し三橋淳子(【オルかな】代表)が支援のやり方について疑問点をいくつか挙げて批判。

自分たちだけの独自な判断や支援の危険性や、ボランティアで行うことの限界、責任の不確かさについての自覚が薄い。どんなに使えない主治医や福祉だと家族やこちらが
感じていても、まずは現在の主治医や地元(居住地)の福祉との対話や連携を、家族や本人に促す、難しければ一緒に行い巻き込むべきだ、などの提案を行いました。

「自分たちはあくまでもまだ任意団体でボランティア。自分たちの立場や、本人家族への影響力を長期的視点で冷静に考えるべき。現在の関わりは団体としての総意ではなく、代表中川の独断かつ医学モデルであり賛同できない」


というのが、現場の福祉職としての三橋の意見です。詳細は書けませんが、こうやって支部代表が堂々と、全国代表中川に意見や議論ができるのも、当会の特徴です。

参加者の発言(主なもの、大意)から:

エビリファイの服用を10日間やめたら頭が熱くなった。
 典型的な離脱症状を経験した。
・栄養療法は自炊が前提なので、冷蔵庫や台所などそのための環境を整えた。
・医者は一般の人より知的水準が高いと思うが、なぜこんなことしか
していないのだろうかと思う。
・本やTVでは日本の医療水準は高いと言っているが本当なのだろうか。
精神科病院の経営者はベッドをいかにして埋めるかに腐心している。
・朝礼で院長が患者集めてこい、と精神科医や看護師にハッパをかけている。
精神科病院で採血だと言われて腕を出したら睡眠薬を打たれて
 気がついたら病棟だった。そうした違法な強制入院を経験した。
・(精神科病院に入院中)治療らしき治療はなかった。
・家族を向精神薬の副作用で亡くした。
 悲しみを文章で表現していくことが癒しになるかもしれない。
・最近、実家を出て1人暮らしを始めた。食事の用意が大変。
・かつてリストカットをしていた時の心境は
 「自分を見てほしい、気づいてほしい」「生きてる実感がほしい」だった。
・施設の高齢者は薬漬け・・・薬を減らしていけば奇行は減る。
・障害者施設で働く人を支える仕組みがない。
福祉施設の利用者の問題行動の背景には家庭の事情があることはわかっているが、
 家庭の問題には踏み込めないのがもどかしい。
・入院中、容体に変化がないにもかかわらず2週間ごとに処方される薬の量が増えていった。

今回の会では営利を優先する精神科医療への疑問の声が相次ぎました。
患者の実際の容態などお構いなしにとにかくベッドを埋めることで
精神科病院という施設の経営を維持していくこと、
とくに理由もなく薬を処方し、理由もなく増量していくことを通じて
製薬産業の収益を確保することが目的になっているという日本の精神医療の
現実が浮き彫りになった格好です。

精神医療の営利優先傾向について、
参考までに関連する書籍からの引用を紹介します。
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一九九二年、アメリカ合衆国下院の 「青少年、児童、家庭特別調査委員会」の報告によると、いくつかの営利目的の精神病院で新しい患者を獲得した病院職員にボーナスが支払われていた、患者が医療保険の適用期間が終わるまで意志に反しずっと入院させられていた、生徒を患者として紹介してくれたお礼として学校カウンセラーにさえリベートが渡されていた、などの事実が明らかにされたという。
・・・(中略)・・・
もしベッドが空いている金曜日にその病院に行けば 「気分障害」のラベルを付 けられるかもしれないが、ベッドがいっぱいの火曜日だったら、入院するほどひどくはないですよ、 といわれるかもしれないのだ。
『狂気と正気のさじ加減 これでいいのか精神科医療』
シドニー・ウォーカーIII著、共立出版1999)

セロトニンドーパミンの分泌に影響を与える薬物が開発できました。
だからそれを精神薬として売りたくなりました。そして「うつ病」や「統合失調症」という診断が現場で増えているのです。そういう順番です。断じて逆ではありませんよ」初めてその話を聞いて、私はたいへん驚いた。伝えてくれたのは女性の薬学研究者だったが、驚いた顔の私に向かって彼女は「精神科医はじめ精神医療に携わっている人は、みんな知ってますよ」と追い討ちをかけた。
『つくられる病 過剰医療社会と「正常病」 』
(井上芳保著、筑摩書房2014)
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12日のサードオピニオン会に参加された方々の証言の背景には、こうしたカラクリがあるということですね。


それを知った上で、自分で考えて決める。批判や問題提起のその先を、自らの選択で行動していく。それが真の快復への第一歩です。

 

ご興味のあるみなさま、まずはサードオピニオン会(対話会)にお越しください。


次回のサードオピニオン会IN二俣川は7月17日(日曜)の開催です。
参加を希望される方は下記からお申し込みください。
サードオピニオン会IN二俣川 7月17日開催

(オルかな事務局 黒柳)