神奈川オルタナティブ協議会  【オルかな】公式ブログ

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10月9日開催・サードオピニオン会IN二俣川のご報告&11月と12月についてのお知らせ

 去る10月9日㈰に実施された【オルかな】主催のサードオピニオン会IN二俣川
について、当日の様子をご報告します。

 MCは例によって全国オルタナティブ協議会代表の中川聡
今年9月に日本評論社から出版された『精神科の薬について知っておいてほしいこと
について紹介。内容はとても良い、薬は最小限に・・・としながら不要とも
言っていない、処方の仕方についてどのような時に役に立つか・どのような時に
出せば良いかが説明されており素晴らしい、離脱症状についても一気断薬と
徐々に減らしていくのとどちらが良いかはわからない・・・とわからないことは
わからないと率直に書いてある所が良い、と評価。
 「これでも一般の精神科医からすればトンデモ本だ、
ということになるのだろうけれど」とも。
 他にはオルタナティブ協議会でも資料の監修などでご協力をいただいている
精神科医の野田正彰先生のWikipediaにある誤った記述について、修正をかけている
ことなどを報告しました。

おもな会場での発言(大意):
・5年ほど前からこの会に参加している。日本の精神医療の現状は絶望的だが、
 それでも声を上げなければ変わっていかないと思う。
・神出病院の事件は日本社会の鏡とも言える。社会があのような施設を容認している。
 この社会の文化が根本的に変わらなければならない。
・横浜で認知行動療法を学んで回復を目指すという会を運営している。
 ただ、服薬の知識がまったくなかったのでこちらに来るようになって2年になる。
アントニオ猪木死去・・・晩年は「原因不明の難病」に苦しんだとされるが、
 ALSなど原因不明の難病とされるものは恐らく、大半が医原病なのではないか。
・池袋暴走事故で有罪となった飯塚幸三氏は事故当時、睡眠薬を常用していた
 のではないか。そのことが事件につながったのでは?
・昨年ホテルの22階から飛び降り自殺した神田沙也加。
 飛び降り直前、服用中の向精神薬によるアカシジアを引き起こしていたのでは?
・日本の精神科医は過去20年間で約3倍に増えている。
 医師が増えたから患者が増えたのだろうか。
・児童精神科医は医師免許があれば自己申告でなれてしまうのだが、
 世の人々は「児童精神科医」というちゃんとした医師がいるものだと思いこんでいる。
エビリファイ筋注を続けているが、なんとかして断薬したい。
 主治医からはおいしい患者と思われている節がある。精神医療と縁を切りたい。
・親が当事者本人の通院に同行、勝手に話すのでやめてくれと言っている。
 本人の診察であるはずが実質親のカウンセリングになっている。
・断薬するには精神医療を信じている親と別居する必要がある。
 そのために世帯分離して生活保護を受けることを考えている。
・若い頃、精神科病棟看護師だった。その頃は医師にガンガン言っていたけれど、
 今は離れてしまって静かに。あきらめてしまったわけではないけれど・・・。
・入院していた息子が退院したので連れてきた。入院期間はきっかり90日。
 入院中の面会は3回だけ。主治医は部外者は口出すな、という絵に描いたような
 精神科医で、薬の処方などの説明は一切なかった。
 診断名は「一応」、統合失調症と言われている。
精神保健福祉士ソーシャルワーカー(SW)として当事者が薬害に
 遭わないように逆算して対応している。
・駆けつけ支援では、貧困からの精神科受診を食い止めることに注力している。
・多くの福祉職は当事者が支援を受けるために障害を探す。
 診断名がないとそれなりの支援が得られないため。
・SWが診断名は便宜上、ということがわかっていれば良いが、
 信じてしまう人がいる。するとそれがレッテルになる。
・当事者が求職するためには必ず医師の診断書がいる。
 すると病名がついて当事者の困難が本人の脳の問題ということになってしまい、
 会社の職場環境が改善されなくなる。
・これからは独立系の精神保健福祉士に全国展開してほしい。
 当事者の診察などについていくだけで病院側も緊張感を持つに違いない。

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 歴史上の出来事について、実は医療や薬が原因だった、すくなくとも
要因の一つだったのでは・・・と推察できるケースは枚挙に暇がありません。
 しかしながら従来、あまりそのことが取り上げられてこなかった理由には、
医療・薬は患者にとってプラスにしか働かない(マイナスに働くことはない)
という思い込みの存在、歴史研究者やジャーナリストはバックグラウンドが
「文系」の人が多いため、「理系」分野とみられる事象は調査や考察の対象外
になる傾向が存在したことなどが挙げられるかもしれません。
 ノーマン・オーラー著『ヒトラーとドラッグ:第三帝国における薬物依存』は
第二次世界大戦中、ヒトラー政権下のドイツの「薬漬け」の実態を克明に
描き出しています。例を挙げれば、開戦当初の「電撃戦」でドイツ軍は
派手な勝利を収めましたが、その勝因である常識はずれの猛スピードでの進軍
を成功させるために、ドイツ軍は前線の兵士に覚醒剤「ペルビチン」を投与
していたのです。また、総統ヒトラーの1945年ドイツ敗戦直前の自殺の背景に
は、ヒトラーが常用していた各種覚醒剤・麻薬の離脱症状がありました。
 今回、会場で話題になった池袋暴走事故、神田沙也加の飛び降り自殺に
ついても、その主要な要因が向精神薬ではなかったか、は検証してみる価値
のあるテーマだと思います。
 暴走事故で有罪となった飯塚幸三氏は、裁判の際、法廷に車椅子で現れたり
審理中に居眠りしかけることがあったというエピソードを読んだことがあり
ますが、薬の影響という観点でみると同氏は半減期が長めの睡眠薬を前日の晩に
服用しており、そのためでは?という推察が可能です。そして事故の当日、
プリウスを運転していたときにも・・・。
 神田沙也加は実際、精神科に通院して抗うつ剤を服用していたとされます。
自殺はホテルの22階から飛び降りるという過激なものでした。交際相手との
トラブルや母親との絶縁があったと報じられてはいますが、そうした
ありふれた人間関係上の悩みと、飛び降り自殺との間には常識的に考えて
距離がありすぎるように思われます。過激な形での自殺の引き金を引いたのは、
抗うつ剤の功罪』の著者・精神科医D.ヒーリーが多くの自殺の原因として
指摘する抗うつ剤の典型的副作用「アカシジア」ではなかったか。
 上記2つのケースについて、私見の限り医療や薬の影響という観点からの
報道はまだなされていないかと思います。このテーマに取り組む有志の登場を
期待します。

【参考】
○『精神科の薬について知っておいてほしいこと



○なお、精神科の薬については中川聡の手になるこちらもよろしくお願いします。
オルタナショップより1,000円でお求めいただけます。
『減断薬読本 第1版 セルフケアの一環として』
https://alternative.base.shop/items/16000081


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11月のサードオピニオン会IN二俣川は開催を中止します。
毎月恒例の【オルかな】主催・サードオピニオン会IN二俣川ですが、
11月は会場が確保できなかったために開催を中止とさせていただきます。

ただ、11月13日㈰13:00〜 に同じ横浜市内の栄区本郷台にてサードオピニオン会INリリス
通常通り開催予定です。12月まで待てない方、お急ぎの相談がある方はこちらへ
足を運んでいただければと思います。
↓詳細および参加のお申込みはこちら↓

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なお、次回のサードオピニオン会IN二俣川は、12月11日㈰に開催されます。
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(オルかな事務局 黒柳)