神奈川オルタナティブ協議会  【オルかな】公式ブログ

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12月11日㈰・サードオピニオン会in二俣川のご報告

 12月11日㈰に開催されたサードオピニオン会in二俣川の様子をご報告いたします。
 今回は過去最多、20名の方々にご参加いただくことができました。
参加者が多かった理由は旭区内の家族会でのお誘い合わせがあったことでした。
「近隣でこのような会が長年開催されていることを知らなかったなんて・・・」
と語る家族会の方の驚きと喜びの入り混じった表情が印象的でした。
 会の冒頭、MCの中川聡(全国オルタナティブ協議会)が「クラブハウス名古屋」
について紹介。すでに名古屋市内に物件を確保、2023年春には活動開始する予定
であることなどを報告しました。また、旭川少女凍死事件に関して、中川が
被害者の少女が受けていた発達障害治療の問題に焦点を当てて書いた考察
何が少女を追い詰めたのか』をWeb上で公開したことを発表しました。

会場での発言(大意)から:
・娘が長年、精神科に通院して大量の服薬を続けていることが心配。
精神医療を信じている娘にどう働きかけたものか。
・減断薬は本人が自覚・納得したうえで本人主体で行うことが必須、
家族(親)が押し付けると必ず失敗する。
双極性障害という診断で気分安定薬と同時に抗うつ剤を、
しかも複数処方する精神科医など言語道断。
内海聡の『精神科は、今日もやりたい放題』は最初の一冊として好適。
中川聡も出版に際して資料の提供などで協力している。
・減薬中にはアップレギュレーションなどの離脱症状で不安定になる時期が
必ずある。そこで揺るがない、ひるまないことが大切。
・かつて統合失調症で約40年服薬、入院も9回経験、今は当事者の会を
運営している。こうした会では精神科医への配慮などから薬の問題に
ついては言いにくい雰囲気がある。

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今回は家族会から多くの方にご参加いただくことができましたが、
精神医療と向精神薬の問題については、まだまだ、全然、初歩的なことが
知られていないのだな・・・という思いを新たにしました。
この問題についてはこれからも根強く情報提供を続け、裾野を広げていく
ことが必要でしょう。

さて、オルタナティブの皆様には改めて言うまでもないことかもしれませんが、
目下、おそらくは史上最大規模の薬害事件が進行中であると思われます。
この件に関して現在、注目を集めつつある科学者(京都大学名誉教授)の
17年前、2005年当時の発言をここに抜粋してご紹介します。

・・・わが国において薬害は後をたたず繰り返され、悲しむべきことに
いずれも科学的不正という人災により被害が拡大したものである。
科学者の不誠実な行為が果てしない退廃と荒涼を社会にもたらすことを
我々は十分に経験してきた。歴史から学ぶことができない者に、未来はない。
言うまでもなく、科学的根拠に基づく医療が成り立つには、まず、公正な
医学研究が行われ、その成果が公正に社会に還元されなければならない。
本書は、医学研究が人間の都合で歪められ、正しい結果が得られていない
という現実を暴き出す。医学研究における科学的非行が頻発し、
医療への信頼が失われる。あるいは、科学的に質の保証されない情報が
マスメディアを通じて、日夜、きわめて巧妙に人々の目に耳にすり込まれる。
医薬品の開発と販売はしっかりと市場メカニズムに組み込まれ、皮肉なことに
とうとう、新薬のコストは家計で賄える限界を超えてしまった。
あまつさえ、本来は人間が創り出すことなどあってはならない病気という需要が
人為的に創出されさえもするのだ。そしてついには医療不信から、
安心と納得を求めて医療漂流民が続出する。
これは他国の話ではない。わが国の現状でもある。・・・
(『ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実』 翻訳刊行に寄せて
―科学妄信とトップ・ジャーナル信仰は歪んだ宗教か? 福島雅典― より)

※同書は2005年11月刊行、
福島雅典氏は当時、京都大学医学部付属病院探索医療センター検証部教授
(「注目を集めつつある科学者(京都大学名誉教授)」云々が何のことか
わからなかった方は同氏の名前で検索してみてください。)

いかがでしょうか。「本物」の科学者、医学研究者はこの国にも
確かに存在するのです。彼らは「医学研究における科学的非行が頻発」
「病気という需要が人為的に創出されさえもする」という現実を知っている。
ただ、残念ながらそのような人の知見がマスメディアで紹介されることは
ほとんどなく、一般にはその存在すら知られていません。
「そしてついには医療不信から、安心と納得を求めて医療漂流民が続出する。」
まるで今回のサードオピニオン会の状況を予言するかのような一文です。

「科学の客観性神話」と言われるように、一般には「科学者は嘘がつけない
仕組みのもとで仕事をしている」「科学研究の答えは常に一つ」
「同一専門分野の科学者の意見は全会一致している」という思い込みが
浸透している節があります。だからこそ薬の危険性や無意味さを指摘する声には
陰謀論」「医療デマ」といったレッテルが貼られ、そうした情報は
相手にしないことが「大人の態度」とされたりするのでしょう。
しかし、現実はどうでしょうか。

(オルかな事務局 黒柳)