神奈川オルタナティブ協議会  【オルかな】公式ブログ

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サードオピニオン会IN二俣川(1月16日開催)のご報告

1月16日(日曜日)に開催されたサードオピニオン会IN二俣川の様子をご報告します。
冒頭、MCの中川聡(全国オルタナティブ協議会代表)が精神科医・作家の
野田正彰氏による旭川女子中学生いじめ凍死事件のレポート記事を紹介。
レポートは自死した少女は小学校時代に発達障害の認定を受けて精神科で薬物治療を
受けており、事件の直前にも医療保護入院していたこと、自死の背景に不適切な精神医療が
存在することを示唆しています。
また、棋士藤井聡太の活躍を通じて話題になっているモンテッソーリ教育に言及。 
「子どもの成長を邪魔しない」というその哲学を学ばず、
技術や道具のみを取り入れている現状に苦言を呈しました。

それでは、参加された方々の発言(大意)を紹介します:
・昨年秋に医療保護入院となり、今月退院したばかり。家族が精神医療を信じており、
統合失調症は薬をやめたら再発すると思い込んでいるのが厄介。
精神科医向精神薬の問題を指摘しても言いくるめられてしまう。
向精神薬の問題を認めない人を説得できたことはない。
どんなに伝え方を工夫しても伝わらない、説得は無理。
・コロナ渦で行きつけのスナックが閉鎖されるなど、
居場所がなくなったことで精神的に不安定に。
・昨年、30代の娘を向精神薬の中毒で亡くした。
親が昭和の時代にペニシリンショックで家族を亡くしており、
薬には疑問を持っていたが・・・。
・服薬中の人は薬止めたほうがいいよ、と直接言われるよりそういう話を
横から聞いてるほうが納得しやすい。
睡眠薬中毒とアルコール中毒はほぼ同じ。人格の変わり具合などがよく似ている。
自死遺族会には薬の問題について理解しているところと分かっていないところと
2種類がある。精神科医が主催しているところさえある。
・「はじまりはいつもデパス」とよく言われている。
・居場所として泊まり込みできる自習室を作りたい。
・高齢者の7人に1人は睡眠薬を常用している。
高齢者の問題行動は薬をやめてみたらパタッと止まることが多い。
・減薬中の人がメタトロン、抑肝散、グルテンフリーを試す・・・
何十回と同じ話を聞いている。否定はしないが薬の害のほうが
栄養などのことよりはるかに大きいことを忘れないでほしい。
・福祉事業所で利用者から職員へ転身したが、優秀な利用者さんに嫉妬してしまう・・・
職員としてダメではないかと思う。
・人からサービス受けるならお金を介在させたほうがいい。
・1919年、2000万人の死者を出したスペイン風邪の流行。これは実は、
その当時解熱剤として使用されたアスピリンによる医原病だった可能性が
指摘されている。
・医療と福祉の世界はヒエラルキーでできており、そこで働く人々は本来の理念を忘れ、
自らの地位を守ることに必死。
・薬の問題について情報発信しているが、一般の会社は好意的。
遅れているのは医療・福祉の人たちだけ。

会を終え、報告のために頭の中を整理しているうちに江戸時代の「出島」のことを
思い出しました。                                                                        
オランダやポルトガルから海外の「技術」は輸入したいが、その背景にある
キリスト教や資本主義のような近代的「思想」が自分たちの社会に入ってくるのは困る。
そうした思惑から当時の幕府が編み出したソリューションが長崎に「出島」を設け、
海外からの来訪者をそこにとどまらせることでした。
会で話題になったモンテッソーリ教育本来の哲学が置き去りになっていること、
医療・福祉の世界のヒエラルキー構造の問題、
オープンダイアローグが「新しい治療方法の一つ」と捉えられてしまうこと・・・
日本の社会を変えていこうとする様々な新しい試みがことごとく骨抜きに
されてしまう現実は、現代の日本社会にも「出島」的な機能が働いていることを
伺わせます。

なお、スペイン風邪の流行によるとされていた大量死が実はアスピリンが原因だったと
いう説についてはこちらが参考になります。

 

サードオピニオン会IN二俣川、2月は13日(日曜日)と14日(月曜日)に
開催予定です。
参加を希望される方は下記リンク先を御覧ください。
2月13日開催
2月14日開催

(オルかな事務局 黒柳)