神奈川オルタナティブ協議会  【オルかな】公式ブログ

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5月8日開催・サードオピニオン会IN二俣川のご報告

去る5月8日㈰に開催された【オルかな】主催・サードオピニオン会IN二俣川について
報告します。
今回は【オルかな】代表の三橋淳子がFMやまとの番組に生出演するため欠席しました。
MCはおなじみ全国オルタナティブ協議会代表の中川聡
7日に発行されたばかりのオルタナティブ通信Vol.10を参加者に配布し、
「新着ニュース」で取り上げている精神科医・野田正彰氏による6月開催予定の
診療相談会について説明を行いました。
また、中川が現在支援中の名古屋在住の当事者とその母親をめぐる近況を報告、
NHKの番組で特集されていた福岡の思春期病棟のレポートについてコメントしました。

参加した皆さまの発言から(大意):
・強い幻聴妄想がある状態を野田先生は「自閉」と呼ぶ。
・野田先生に怒られた心理学者は大勢いる。先生は多くの心理学者から嫌われている。
・野田先生によると、支援者には元・患者の快復した人が一番いいという。
・野田先生にお会いしてみたい。・・・野田先生もこちらへ来たいと言っている。
生活保護予算の半分が医療に行っている。職員の収入に化けていて
本人の手に渡っていない。
・今、役所ではメンタルヘルス関連や「心の〇〇」という企画はすべて通る。
精神科病院の長期入院患者の受け入れ先として介護施設が利用される流れができている。
・貧困母子家庭で母親が薬漬けの状態で子どもを育てている。破綻の匂いしかしない。
・病理モデルでしか支援がない、「母親がうつ病だから薬を」になってしまう。
・違法薬物治療の実態は多くが依存先を合法的なもの(処方薬)に変えているだけ。
・医療者、福祉職に薬の副作用を見抜く力が欠けている。
絶対にアカシジアであるものを症状と捉えてしまう。
・トラブルを起こした当事者に「これは薬のせいだよ、気にしなくていいよ」と
声をかければそれだけで笑顔になる。
精神科医は愉快犯か。
・日本人のお上信仰は度し難い。
・元精神科病棟看護師だが、現在は精神保健福祉士を目指して勉強中。

今回は6月の診療相談会の件もあり、オルタナティブ協議会の活動に長年ご協力を
いただいている精神科医・作家の野田正彰先生をめぐる話で盛り上がりました。
野田先生は心理学者から嫌われている—という発言がありましたが、
ここで筆者が体験した、ある心理学者とのエピソードを紹介しましょう。
主流の精神医療の世界で精神科医・野田正彰という存在がどのように捉えられているかが
わかるのではないでしょうか。
カウンセリングの担当者として出会った、某私大大学院で臨床心理士を目指す学生を
指導しており(当時)、認知行動療法の普及推進の旗振り役であった心理学者S。
2003年の秋に「日本の論点2004」(総合雑誌「文藝春秋」の増刊号)に掲載された、
野田先生が執筆された記事を見せたときのこと。
記事は、大阪の安田病院事件をはじめ蔓延する精神科病院での虐待を
取り上げ、日本の精神医療の現状を批判するものでした。
Sしばらく沈黙した後、怒気の籠った声で
「あっそう、としか思わん!」
「なーにが虐待だ・・・虐待なんか・・・小児科でも起きとる。」
「代案を出しなさいよ・・・代案もなく批判をするというのは・・・」
Sは精神科病院の入院患者数についてのデータを見せたときも
しばらくフリーズ(「しまった」という顔で)してから、
「・・・こ、これ、いつの数字だ〜!?」
と仰け反ってみせたものです。
また、
フロイトユングライヒラカン・・・(精神分析は)どれも時代遅れだと思う。」
「そういうこと(症状の原因)は考えてもしょうがないと思う。」
などと興味深いコメントも。
要はこれからのカウンセリングは認知行動療法のみで行くべきだ、
精神疾患の原因を探る精神分析的アプローチは廃すべきと言いたいらしい。
イタリア・トリエステの取り組みについては
「日本とイタリア・・・どちらのやり方がいいのかわからないなあ・・・」
と。

それにしても 虐待の告発に怒りを向け、入院患者のデータを前に狼狽し、
精神分析を否定する「心理学者」とは?
そうした人物が心理職を目指す学生の教育に携わっているという現実。
前述のとおりSは日本における認知行動療法の推進者として著名なのですが、
かの療法が日本の精神医療界に導入された目的は、本当のところ何だったのか。
Sの一連のリアクションから窺い知れるのではないでしょうか。

言論サイト「論座」で公開中の野田正彰先生の論考

webronza.asahi.com

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〈お知らせ〉三橋淳子「あなたのミライをてらすラジオ」7月2日開始

【オルかな】代表にして精神保健福祉士三橋淳子がFMやまとでラジオ番組
「あなたのミライをてらすラジオ」を開始します。
初回は7月2日。以降、毎週土曜日17:30〜18:00の放送です。
番組スポンサーは多機能型事業所「ミライてらす

 

三橋からのメッセージ:
「働くって、楽しい」をテーマに、三橋が独自の視点で、働く楽しさや、働くために
必要な健康、生活、人とのつながりなどを伝えます。ゲストを招くことも検討しています。
みつはし精神保健福祉士事務所


次回のサードオピニオン会IN二俣川は6月12日(日曜)開催です。
詳細および参加のお申し込み


(オルかな事務局 黒柳)